7月29日(土)に開催された「黒部峡谷たっぷりまんきつ旅!」に同行させていただきました。
その様子を報告いたします。
「黒部峡谷たっぷりまんきつ旅!」は朝8時50分に黒部峡谷鉄道「宇奈月駅」集合ということで、それより少し早く来て、宇奈月温泉街で朝食をとることにしました。富山地方鉄道で宇奈月温泉駅に7時41分着。空は今にも降りそうな曇り空。
宇奈月温泉駅から徒歩1分で「フィール宇奈月」に到着。宿泊客以外も利用できる朝食バイキングが評判です(前日までに要予約)。(※本ツアーに朝食は含まれておりません)
朝食会場に入ってすぐ目に入ったメニューが「サワラのタタキ」。その他にも「北寄貝芽かぶわさび」「イカ刺し」「ホタルイカくんせい」「調理長オリジナル季節の炊き合わせ」などなど、とにかく季節のもの地のものが多い。それでいて朝食バイキング定番のヨーグルトやフルーツもあり、一品一品がしっかりおいしい。「朝食すごいねえ。」という声が何人ものお客様から聞こえていました。
しかし、そんなおいしい朝食に舌鼓を打っている間に外では激しい雨が。
フィール宇奈月は「黒部峡谷たっぷりまんきつ旅!」の集合場所まで徒歩1分。ギリギリまで料理を楽しんで宇奈月駅に向かいました。
宇奈月駅1階では当局のスタッフがジオガイドとともにお出迎え。今回のジオガイドは富山県自然解説員でもあるベテランの志村ガイドです。ツアー日によってガイドは変わりますが、毎回「ジオガイド養成講座」を修了したガイドが派遣されます。
雨が激しくなってきたので宇奈月駅1階の売店であわててカッパを購入。志村ガイド、そして今回ご参加のお客様とともにトロッコ電車へ乗り込みます。9時21分宇奈月駅発車。
「生憎の天気ですねえ。」なんて話して笑っていましたが、ご覧ください、霧をまとう湖面橋を。
なんと言えばいいのでしょう。かっこいいというか、美しいというか…とにかくすごかったです!それに雨が降っていても湖や川の水は美しいエメラルドグリーンのままなのですね。湖面橋以外の場所でもあらゆるものが霧をまとっていて夢の中の景色のようでした。晴れの時、雨の時、それぞれ違う美しさがありますね。トロッコ電車の中では志村ガイドが付きっきりで撮影ポイントを教えてくれます。
片道80分かけて欅平駅に到着。硫黄の匂い。雨はあがっていました。トイレ休憩の後、志村ガイドが欅平の散策コースについて説明。まずは猿飛峡へと向かいます。
少し進んでは立ち止まり、また少し進んでは立ち止まり、歩道の側の木、苔、花、石などの説明を受けながらゆっくりゆっくり進みます。
私は初めて見る植物が多く、脳が一気に活性化。志村ガイドの深い知識に触れて、学ぶ楽しさを久しぶりに味わうことができました。
50分ほどかけて猿飛峡へ到着。雨で水量を増した黒部川の迫力。写真をたくさん撮りました。
少し休憩して欅平駅に戻ります。帰り道も気づいた箇所で志村ガイドが解説。例えば、写真は白い岩と黒い岩の境目が見られる場所です。高校で地学をやっておけばよかったと思いました。
昼食は欅平駅の食堂「レストイン欅」にて。予約席に豪華なお弁当が用意されています。(※昼食は当ツアーに含まれています)席に着いた途端、一気に汗が流れてきました。用意されたお茶がうまい。
昼食を食べた後、再集合して名剣温泉へと向かいます。黒部川に架かる朱塗りの奥鐘橋が山の緑によく映えていました。
そう、ここから先は危ないのです。落石の危険があるため、看板の隣に置いてあるヘルメットをかぶって進むとすぐ、人喰岩に飲み込まれます。岩が落ちてこないか少し怖い。
人喰岩を過ぎると観光地らしさはだいぶ薄くなり、ただの大自然。ただの凄まじい大自然。志村ガイドの頼もしさが際立ちます。名剣温泉方面へ歩いている時も立ち止まり立ち止まり解説してくれます。
例えば、この岩は〇〇年前の岩で恐竜がいた頃よりも古い岩だとか、これは昔の子どもがよく噛んでいた草だとか、あそこにひぐらしがとまっているだとか。身近なものから遠いものまで解説してくれます。
ツアーの終わりを寂しく感じながら名剣温泉に到着。志村ガイドとツアー参加のお客様はここで欅平駅に引き返し、トロッコ電車に乗っておかえりです。手を振ってみなさんと別れた私はここから一人で祖母谷地獄へと向かいました。
小さい雨粒が落ちています。視界ではどんどん峡谷美が凄まじくなっていき、雪でできた橋「スノーブリッジ」も見ることができました。
すれ違う人もいなくなり、いよいよ大自然にお邪魔している気分が強くなっていきます。熊が出たら死ぬな…と思い、一人で来たことと格闘技を習ってこなかったことを本当に後悔しました。
昼なのに真っ暗なトンネル(長い)を震えながら抜けると雨粒は大きくなっていました。
チョロチョロとどこかから水が滴っている場所が何ヶ所もあり、「私が今まで生きてきた中で一番人里から離れたな…」と思いながら真っ暗なトンネルをさらに数本抜けて、本格的な雨のなか歩いていくと…やっと祖母谷温泉だあー!人里だー!
「山小屋 祖母谷温泉」の玄関先で雨が小降りになるまで休ませてもらいました。あいにく入浴の準備をしてこなかった私は入れませんでしたが、祖母谷温泉では日帰り入浴することもできます。休ませてもらっているあいだも一人旅の人、カップルの人、親子で来ている人、など色々な人々が訪れていました。
雨が小降りになってきたので「山小屋 祖母谷温泉」の女将さんに別れを告げ、祖母谷温泉の源泉(祖母谷地獄)に向かいます。山小屋から歩いて数分。
緑と青でした。みなさん!源泉は緑と青です!あんな色だとは思いませんでした!思ったよりカラフル!地獄はカラフルです!白くて透明な湯の花も大量に見られます。(実際にどんな色をしているかは肉眼でご確認ください…)
みなさん。こんな凄い祖母谷地獄を体験してみませんか?「祖母谷地獄であじわう極楽ツアー」の今年度催行分は嬉しいことに満席ですが、「山小屋 祖母谷温泉」に個人で宿泊していただくことはできます。
黒部峡谷は図りしれない大自然です。どうぞ体験してみてください。